東京辰巳国際水泳場では10日(金)日本室内選手権(翼ジャパンカップ)の2日目、男子飛板飛込と女子高飛込が行われた。

男子飛板飛込では、世界選手権代表の坂井丞(ミキハウス)が来月に迫った本戦への調整のため欠場し、大ベテラン寺内健(ミキハウス)に若手選手らが挑む形となった。
勝ったのは寺内で、そつなく6本の演技をまとめた。36歳の寺内の存在は「いつか寺内選手に勝ちたい」という選手たちの大きな目標となっており、長きに渡り日本男子を引っ張り続けてくれているのは間違いないだろう。
予選で大きなミスをした須山晴貴(島根大学)は、決勝では助走が安定し素晴らしい演技を連発。特に307Cをピタリと決めると観客からは割れんばかりの拍手が起こった。終わってみれば寺内にあと12点に迫る2位。9月の日本選手権で坂井を含めた3人の勝負を期待した関係者は多いに違いない。
3位には久しぶりに好演技を見せた新良貴優(福井体協)が入った。社会人1年目という環境の変化があったにも関わらず結果を残せたのは、高校生の頃から高難易度の種目に取り組み、失敗を繰り返しながらも経験値を増やしたことが大きいだろう。


女子高飛込は世界に通じるレベルの選手が増えたことで、勝負が面白くなってきた。
日本が誇るチャンピオン、板橋美波(JSS宝塚)は坂井同様世界選手権への調整のため今大会の個人種目は棄権した。
この種目は予選から高演技が続出し、誰が勝ってもおかしくない展開となった。
決勝は小さなミスはあったものの辛抱の演技を続けた三上紗也可(米子DC)が競り勝ち、表彰台の一番上に登った。難易度の高い種目に挑戦し続けようやく結果を掴み取った優勝に大きな拍手が送られた。




2位には世界選手権代表の佐々木那奈(JSS宝塚)が入った。動きが重くベスト演技とは言えないが、あと1ヶ月に迫った世界選手権本戦では彼女の持ち味であるキレのある動きとノースプラッシュを期待したい。
3位にはほぼノーミスの演技を見せた榎本遼香(筑波大学)が入った。榎本の入水感覚は素晴らしく、5本の演技をきっちりと決めてユニバーシアード大会代表として立派な演技を披露した。
4位は予選2位の金戸凜(セントラルD/日出中学)、5位は予選トップの荒井祭里(JSS宝塚)だった。この2人の予選での得点は決勝での1位の得点を大きく上回っていることを考えると、女子高飛込は誰を世界に出しても戦えるくらいのレベルになったと言えるのではないだろうか。

写真提供/フォート・キシモト