ロシアのカザンで開催されている世界ジュニア選手権は大会4日目を迎え、グループB男子1M飛板飛込とグループA女子3M飛板飛込が行われた。

10時から行われた男子1M予選では遠藤拓人(JOCエリートアカデミー)が出場。遠藤は得意の制限選択飛を安定した演技で点数を積み重ね前半3位につけた。予選トップは小柄だが高さとスピード、そして難易度の合計が群を抜いて高いコロンビアの選手だった。
後半の自由選択飛では高難易度を揃える強豪たちに対し遠藤は難易度こそ低いものの着実に点数を積み重ね、7位で決勝へと進んだ。
決勝は大波乱となった。飛板はバランスを崩すと大失敗につながることがあるが、この決勝では予選を上位で通過した2名の選手が助走でバランスを崩してプールに落ち0点を出すというアクシデント。メダル争いから脱落してしまった。そんな波乱をよそに好調だったのは地元ロシアの2名の選手だ。美しい飛込で定評のあるロシアの選手たちが入水をピタリと決めるたびに会場からは地鳴りのような拍手がわき起こった。結果、ロシアのドミトリ・ベノフ選手がラスト1本でコロンビアのルイス・ベムデ選手を抜いて優勝を飾った。
遠藤は周りの選手らが挑戦した高難易度の種目を次々と失敗していく中、淡々と安定した演技を続けた。世界大会で自分の力を出すのは容易いことではないが、遠藤は立派に演技をこなし終わってみると4位まで順位を上げていた。試合前には足のケガに泣き完治しないまま痛みをこらえて挑んだ試合だっただけに喜びもひとしおだろう。


続くグループA女子3Mでは板橋美波(JSS宝塚)と宮本葉月(高知SC)が登場。この予選もかなり荒れた試合となった。
板橋は大きなミスもなく余裕の4位で予選を通過、宮本は踏切にブレがあったものの9位で決勝へと進んだ。
予選では不調だった中国とメキシコの選手らが夜からの決勝では別人のような演技を見せ、一気に順位を上げてきた。板橋も必死に食らいついたがわずか2点差で銅メダルを逃し悔しい4位となった。
一方宮本は決勝1本目の205Bで大きくショートしてしまい波に乗れなかった。小柄ながら高さのあるジャンプは評価されたものの決勝では入水を決められずに11位に沈んだ。