2018年08月
第18回 アジア大会はインドネシアのジャカルタで開催されているが、8月28日から飛込競技が始まった。
男子飛板シンクロには寺内健、坂井丞(ともにミキハウス)が出場しベストスコアを更新して銅メダルに輝いた。ペアを結成して3年目。進化し続ける2人に2年後の期待が高まる。
アジア大会飛込競技のスケジュールは以下の通り。
●8月28日
18:30女子10mシンクロナイズドダイビング 決勝
20:00男子3mシンクロナイズドダイビング 決勝
●8月29日
18:30女子3mシンクロナイズドダイビング 決勝
20:00男子10mシンクロナイズドダイビング 決勝
12:00女子10m高飛込み 予選
14:00男子1m飛板飛込み 予選
19:00女子10m高飛込み 決勝
21:00男子1m飛板飛込み 決勝
11:45女子1m飛板飛込み 予選
13:45男子3m飛板飛込み 予選
19:00女子1m飛板飛込み 決勝
21:00男子3m飛板飛込み 決勝
12:00女子3m飛板飛込み 予選
14:00男子10m高飛込み 予選
19:00女子3m飛板飛込み 決勝
21:00男子10m高飛込み 決勝
リザルトは以下のサイトから見ることができます。
https://www.business-standard.com/asian-games-2018/diving-48.htm
4日間に渡る大会は最終日を迎え選手たちの渾身の演技に惜しみない拍手が送られた。
⚫︎第一試合 男子12-13歳 1M飛板飛込
この試合で目立ったのは高飛込で優勝している玉井陸斗(JSS宝塚)と二羽倖駕(小松DC)だ。玉井の正確な板踏みと空中フォーム、鋭い入水は他を抜きん出ており高得点が連発した。しかしこの試合で一番よく板を踏み高さと迫力ある演技をしたのは二羽だろう。昨年のエリート小学生の時よりかなり背が伸び長い手足を使った鋭いジャンプは見張るものがあった。入水でややブレが見られ優勝には手が届かなかったが玉井とともにこの先の成長が楽しみな選手だ。3位争いが熾烈だったが制したのはグループDの春季ジュニア五輪1Mで2連覇している八木魁斗(宮城DC)だった。
⚫︎第2試合 女子14-15歳 3M飛板飛込
このクラスは身体のラインの綺麗な選手が多く出てきた印象だ。全国中学選手権3連覇の金戸凜(セントラルスポーツダイビングチーム/日出中学)の実力が抜きん出ており特に彼女の得意な205Cと305Cの入水が決まると大きな拍手が起こった。2位は今季大きな成長を見せた山崎佳蓮(高知SC)が全国中学選手権に引き続き表彰台を決めた。山崎は背が高くなった分演技も大きくなり今後の成長が楽しみな選手の1人だ。3位争いを制したのは熊木蘭(群馬DC)だ。全国中学の時と自由選択の種目を変えた戦略が見事にはまり嬉しい表彰台となった。
⚫︎第3試合 男子16-18歳 高飛込
高難易度の種目が揃う最終試合はとても盛り上がった試合となった。インターハイ3連覇の西田玲雄(大阪水泳学校)は得意な前入水の種目で素晴らしい演技を続け圧倒的な試合をした。西田のノースプラッシュはインパクトのある音と綺麗に締まった脚が見ている人を惹きつける。今年はこの種目で負け無しで9月の日本選手権が楽しみだ。2位に入ったのはインターハイでは僅差で表彰台を逃した金戸快(セントラルスポーツ/日出高)だ。筋トレの成果が徐々に出てきて演技に力強さが出てきた。今後は難易度を上げ更なる挑戦に期待したい。3位の山田周汰にとっては悔しい内容となった。インターハイ2位のリベンジと意気込んだが気負いからか得意な演技にキレがなかった。3人とも高校3年生。切磋琢磨して更に上へと羽ばたいてもらいたい。
大会4日間が終わり、最優秀選手賞、優秀選手賞、クラブ対抗は以下の通りです。
男子最優秀選手賞
玉井陸斗(JSS宝塚)
女子最優秀選手賞
荒井祭里(JSS宝塚
男子優秀選手賞
伊熊扇李(JSS宝塚/浜松学院)
女子優秀選手賞
金戸 凜(セントラルスポーツ/日出中学)
団体
優勝 JSS宝塚 88点
準優勝 セントラルスポーツダイビングチーム 60点
⚫︎女子12-13歳 1M飛板飛込
24名の選手が出場した。
制限選択4本では大差はつかなかったが自由選択に入るとしっかり板を踏む、小さな抱え型、よく締まったエビ型、宙返りの伸ばしがしっかりしている演技で差が出るようになった。中でも一昨日の高飛込を制している佐々木音華(米子DC)の勝負強さが際立った。屋外プールしかない環境を物ともせずとにかく基礎基本やトレーニングを積んで作り上げた演技に惜しみない拍手が送られた。2位には基礎がしっかり出来た演技をした大内晴名(佐賀DC)が入り、3位はキレイな身体のラインを生かした美しい演技を見せた小板橋咲良(群馬DC)が入った。
⚫︎第2試合 男子 14-15歳 高飛込
世界ジュニア選手権代表の坂田慈央(ジョイフル)と伊熊扇李(JSS宝塚/浜松学院)の一騎打ちとなった。制限選択はノースプラッシュの嵐で伊熊が坂田慈央を28点引き離した。しかし自由選択に入ると伊熊にやや入水の乱れが見られ坂田慈央が徐々に差を詰めて行った。しかし後一歩届かず伊熊が2冠を達成した。自由選択だけの点数なら坂田慈央のほうが9点上回っており今後の2人の成長が楽しみだ。3位には今季身体も演技も大きな成長を見せた坂田麗鳳(高岡SC)が入った。
⚫︎第3試合 女子16-18歳 3M飛板飛込
14名の選手が出場。インターハイとほぼ同じ顔ぶれの選手らが表彰台を競った。安田舞(JOCエリートアカデミー)が好演技を続け3本を終えた時点で他の選手を引き離していたが4本目の405Cをオーバーし2位との点差は15点弱まで詰まった。ラスト1本の5335Dを普通に飛べば問題なく優勝であったが助走が前にかかったことで回転がかからずほぼ失敗演技に終わり順位を大きく下げてしまった。優勝したのは長澤明生(富山国際大付)でミスを最小限に抑えたのが勝因。2位には2群、3群を決めた若林佑希子(愛工大名電高)、3位は近藤花菜(群馬DC)だった。
⚫︎男子飛板シンクロ
グループA飛板で1位、2位の金子舜汰(セントラルスポーツ/青山学院)と遠藤拓人(JOCエリートアカデミー)ペアが演技点、同調点の両方で質の高い演技をし危なげなく優勝した。
⚫︎女子飛板シンクロ
先月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した安田舞、金戸凜(セントラルスポーツ/日出中学)のペアは国内でも簡単では負けなかった。特に最初の2本の指定選択では世界トップレベルの素晴らしい同調性を見せた。自由選択では入水に乱れがあったが更に質を上げて来月の日本選手権に期待したい。
大会2日目は4種目の試合が行われた。
⚫︎第1試合 女子9-11歳 1M飛板飛込
体重の少ないこの年齢は飛板を踏むこなすのが難しいが19名の選手たちが精一杯のジャンプで元気な演技を披露してくれた。
この試合は1位から4位までJSS宝塚チームが独占する結果となった。正確な助走、踏み切り、フォームと基礎基本を徹底的に仕込まれた演技は他を圧倒した。特に優勝した山村榎鈴の踏み切りは力強く日頃のトレーニングの賜物だといえよう。2位は柴崎佑奈、3位は横山結衣だった。
⚫︎第3試合目 女子14-15歳 高飛込
この試合には19名の選手が参加。
全国中学選手権3連覇の金戸凜(セントラルスポーツ/日出中学)を全国中学2位の山崎佳蓮(高知SC)が追う展開。2人は素晴らしい制限選択飛を見せ会場を盛り上げた。自由選択飛に入ると山崎が205Cをショートするミス。続いて金戸も407Cを大オーバーとミスが続いたが2人ともラストの演技を何とかまとめた。3位には熊木蘭(群馬DC)がミスを最小限にとどめて入り、上位3位までは全国中学選手権と同じ顔ぶれとなった。
⚫︎第4試合 男子3M飛板飛込
15名の選手が出場。出場メンバーはインターハイと同じ顔ぶれではあったがそれを超えるようなシビれる試合展開となった。
1本目から絶好調だった遠藤拓人(JOC エリートアカデミー)は今季の不調を吹き飛ばすような素晴らしい演技を続け5本目まではトップを譲らなかった。それをじわじわと追いかけていた金子舜汰(セントラルスポーツ/青山学院)が6本目の演技を決めて後に飛ぶ遠藤を待つ展開。ラストは遠藤が今季から取り入れた5154B。よく板を踏みこれは決まったかと思えたが入水が流れその瞬間優勝が消えた。金子はインターハイ3位だったが自由選択飛だけの点数では1位であった。それがまぐれではないことを今大会で証明した形となった。3位にはインターハイ優勝の西田玲雄(大阪水泳学校)が入った。
第41回全国ジュニアオリンピック夏季大会が大阪プールで開幕。約150名の選手たちがそれぞれのグループの頂点を目指す熱い戦いが今日から4日間行われる。
初日は4試合が行われた。
⚫︎第1試合 男子9-11歳 1M飛板飛込
23名の精鋭たちが元気な演技を披露した。小柄な選手が多い中際立っていたのが優勝した二羽修万(小松DC)だ。長い手足から繰り出されるスピーディな動き、ジャンプの高さ、抱え型の小ささは見ていて気持ちが良かった。全国中学選手権で表彰台に乗った兄に負けじと大阪で存在感を示した。2位は全国少年少女とびうお杯優勝の瓶子礼智(高知SC)が昨年より大きく成長した演技で表彰台を決めた。3位には関西選手権で優勝した春日瑛士(三重DC)が入った。
⚫︎第2試合 女子12-13歳 高飛込
19名の選手が出場した。ここでは昨年度エリー小学生の佐々木音華(米子DC)が制限選択飛からリード。6本目の205Cでは素晴らしい入水を見せ71点という高得点を叩き出しラスト1本を飛ぶ前に優勝を決めるという圧巻の試合をした。2位には美しい身体のラインが持ち味の黒川菜々実(大阪水泳学校)が入った。3位には安丸和華(川口SC)が確実な演技で点数を重ねて初の表彰台を決めた。
⚫︎第3試合目 男子14-15歳 3M飛板飛込
9名の参加。ここでは世界ジュニア選手権代表の坂田慈央(ジョイフル)と伊熊扇李(JSS宝塚/浜松学院)の好演技に会場が沸いた。
先に演技した坂田が入水を決めると次に演技する伊熊が0.5点上の評点を出す展開。伊熊が徐々に差をつけ表彰台の一番上を譲らなかった。3位の坂田麗鳳(高岡SC)は長い手足を生かした大きな演技が印象的であった。
⚫︎第4試合 16-18歳 女子高飛込
15名が参加。2日後にアジア大会へ発つ荒井祭里(JSS宝塚)が入水のキレは良くなかったものの順調な仕上がりを見せて圧巻の優勝、アジア大会へ弾みをつけた。2位には今年から東京に強化拠点を移した安田舞(JOC エリートアカデミー)が自身初の300点越えというベストスコアで大きな成長を見せた。3位には長澤明生(富山国際大付)がインターハイ3位に続き安定した演技で表彰台を決めた。
大会2日目は男子飛板飛込予選と決勝、公開競技の女子飛板シンクロが行われた。
男子飛板決勝は予選をトップ通過した金子舜汰(東京・青山学院)と今夏の世界ジュニア選手権代表の中秀太郎(石川・小松市立)と西田玲雄(大阪・桃山学院)の3人が首位争いを繰り広げた。
首位を走っていた中だったがラスト2本で順位が動いた。中が307Cをオーバーする痛恨のミス。このラウンドで西田が中を捉えコンマ差で抜き返した。そして金子とは10点の差があった。
ラストラウンドは3人ともが405Bでこの種目で勝負が決まる展開にプールサイドは息を飲んで選手の演技を見守った。まず中が飛んだがまさかのオーバー。次に西田が無難に決めて中を抜いて2位以上が確定。ラストの金子は渾身の演技を見せ追い上げたものの僅かに及ばず3位。素晴らしいトップ争いに大きな拍手が送られた。
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