2016年08月
男子飛板飛込予選が始まり、一本目の寺内選手の演技は 205B(後宙返り2回半蝦型 ) であった。非常にキレのある高さのある演技で評点7.5、14 位の滑り出しであった。また坂井選手も405B (後ろ踏切前宙返り2回半蝦型)を鋭い飛び出しとスピード感あふれる回転で入水を決め、 16位の出だしとなった。誰もがいつもの試合パターンに流れ込むものと確信していた。
しかし2順目の演技が開 始されたあたりから、天候が悪化し強風が吹き荒れた。踏切に神経を非常に使う飛板飛込 の選手たちにとっては強風は大敵である。どの国の選手も強い風にあおられ、満足な演技が出来なかった。そんな中、寺内選手の演技順になった。彼は台の上に立ち助走のタイミングを見計らった。ほぼ 60秒が経過したあたりで止むを得ず助走を開始した。しかし前からの強風のため通常より幾分前傾過多になり、板の先端部分より足底の 3分の1をはみ出して飛び出してしまった。結果は高さ、回転を十分取れずに評点 2.0、全くの失敗であった。この演技で29位の最下位に順位を落とし、絶望的であった。
次に飛ぶ坂井も踏切時のバランスを失い得意の305B
(前逆宙返り2回半蝦型)での高得点を得ることができず、予選突破ラインから後退した。
その後寺内選手は残りの演技で70点台の高得点を出しつづけたが全体 20位得点380.80で予選敗退した。準決勝進出ラインに 9,05足りなかった。一方坂井選手も彼本来のスピード感あふれる演技で得点を伸ばしたが、高難易度種目 307C(前逆宙返り3回半抱型)の踏切が前方に流れ入水 が定まらず失敗した。この影響で全体22位得点 373.40であった。
翌8月 17日に女子高飛込予選が行われ板橋美波選手が出場した。特に注意すべきは 207C (後宙返り3回半抱型)並びに305B (前逆宙返り2回半蝦型)の2 種目。何れも後ろ宙返り系を決めきれるかが焦点となった。
予選では予想どおり回転のスピードとキレで他国の選手を寄せ付けず、良好なスタートであったが、3 種目目の207Cの飛び出しの入水動作のミスしたため入水角度が浅く、大きく後退した。しかしその後の前宙返り系 2 種目は安心した演技で追い上げ得点合計320.20、全体の 10位で予選を突破した。
続く準決勝では、午前の競技であったためか若干動きが本来より鈍く感じられたが、入水角度も無難にまとめ、ミスなく演技をまとめることができた。特に107B (前宙返り3回半蝦型)では評点8.5 がでる演技であり会場を魅了した。よって得点合計335.55、全体の8 位で決勝進出を果たした。
板橋選手の決勝1本目は普段通りの力を発揮した。2本目と3本目は課題である後ろ宙返り系でこの2本の出来が順位に大きく影響すると思われた。2本目の305B(前逆宙返り2回半海老型)はややショートに入水してしまい得点を伸ばすことはできなかったが、3本目の207C(後宙返り3回半抱え型)は水しぶきは上がったものの入水角度を見事に決めた。
4本目はワールドカップで挑戦した109C(前宙返り4回半抱え型)は封印し、3回半を飛ぶことで勝ちにこだわった。ラストは5253B(後ろ宙返り2回半1回半捻り海老型)を素晴らしいノースプラッシュで決め、トータル356.60と準決勝よりもさらに得点を伸ばし8位入賞につなげた。